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021 「のれん」というオバケについて

M&Aの現場で、突如オバケのように出てくる「のれん」。
その償却方法も、各会計基準・税務と会計・上場の有無により見解が違います。
私個人も、最近の流れをきちんと理解できておらず
いい機会なので以下まとめてみました。

◆そもそも「のれん」とは
M&Aにおける譲渡価格は、一般的に純資産よりも高くなるので
「譲渡価格-時価純資産」の差額を
「のれん」としてB/Sの「無形資産」に計上することが求められます。
固い言葉で言えば「超過収益力」、やわらかく言えば「見えない稼ぐ力」でしょうか。

「虎屋の羊羹」をイメージすると分かりやすいかもしれません。
砂糖・小豆・寒天という原材料で1本3千円。恐らくすごい粗利率です。
近所のスーパーで買えば500円でお釣りがきます。
まさに「超過収益力」であり「見えない稼ぐ力」です。

◆具体例
元々保有している子会社や資産では「のれん」は計上できず
M&Aが成立した時点においてだけ発生します。
例)買取価格10億円、買取時の時価純資産が4億円の場合は
6億円の「のれん」が買手のB/Sに「無形資産」として計上。

◆「のれん」の償却期間は
税務上は「5年」会計上は「最長20年」です。
買手が非上場の場合は節税を優先する企業が多く
短期償却を好む傾向にあります。
その場合は、税務上の償却に合わせ、会計上も「5年」が一般的。
ただし、買手が上場企業である場合、PL上の利益を優先するため
通常は長めを選択します。
以前は5年でしたが、現在では「最長20年」となっております。

何故20年か?恐らく合理的な説明は各分野のプロでも難しいと思います。
何か大きな力が動いたのかもしれません。

参考までに、米国会計基準(SEC)、国際会計基準(IFRS)では「償却不要」が原則です。
ただし、償却が不要だからといっても実態はあまり変わらず
「のれん」の資産価値については毎期減損すべきかのチェック必要です。

◆「のれん」の償却における問題点
譲渡対象の会社・資産が、期待通りに収益に貢献できれば「(良)資産」と
みなされますが、収益に貢献しなければ、一転して「不良資産」となってしまいます。
過去、買収した会社が実際には収益力が弱まり
償却を迫られているケースも増加してます。

以下、上場企業における「のれん」の指標ランキングです。
上場企業においては、M&A戦略における重要な部分であることが分かります。
*2016年7月の東洋経済記事より ご参考まで。
____________________________________
◆「のれん額ランキング」*2016年7月の東洋経済記事
のれんの計上額を多い順にランキングしたものだ。巨額買収を行う著名企業が上位を占める。1位のソフトバンクは、日本のボーダフォン、米国のスプリントなど携帯電話事業をメインとする積極的な事業買収で多額ののれんを計上する。2位のJTは、RJRナビスコ、ギャラハーなど海外たばこ事業買収によるもの。株主資本に対する割合でも、ソフトバンクは68%、JTも同55%と高水準。
http://toyokeizai.net/articles/-/126447?page=7

◆「のれん対株主資本比率ランキング」
のれんの額が株主資本の何%に相当しているかを計算(のれん÷株主資本×100)、比率の高い順にランキングしたもの。値が高いほど、のれんが減少した場合に多くの株主資本が毀損することを意味する。100%を超えていれば、仮にのれんの価値がゼロになると、株主資本ではまかないきれないことを意味する。
http://toyokeizai.net/articles/-/126447?page=3

とらや

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020 「捨てられる銀行」金融庁の本気度感じます。

ビジネス著では、ベストセラー作家でもあるパ^トナーコンサルタントが
珍しく他人の著書を絶賛していた「捨てられる銀行」を読んでみました。

mori.jpg

森金融庁長官が、共同通信の記者に書かせたのでは?という印象受けましたが
読みやすくて面白いです。スモールM&Aにおける底辺拡大においても、この流れは追い風ですね。
忙しい方々向けに、ざっくり要約してみました。

・銀行の査定は「健全性」から「企業成長・再生支援」をしているかへ
・担保、保証協会依存からの脱却を促す。
・過去の金融行政を否定し、リレバン失敗等の轍は踏まない
・銀行は収益力よりも、取引企業数の評価
・銀行の営業目標と人事評価が変化の妨げとなっている
・信用保証制度が銀行員の目利きを奪った。
・保証協会利用企業は141万社(分母385万社36%)
・リスケ先は40万社、7割は銀行支援があれば再生可能
(代位弁済がある為、再生モチベーションが起きない)
・事業性評価ができるバンカーを育てる必要あり
・メインバンク概念の復活
・メインバンクとは引当を積みながらも貸出す覚悟あるかどうか
・低金利だけを求める顧客とは距離を置いてよい
・短期継続融資(短コロ)を復活すべし
・事業性評価モデルで先を行く広島銀行
・事業性融資で自己資本比率60%の稚内信金
・営業のノルマを撤廃した北國銀行
・本業支援に軸足を移したきらやか銀行(旧殖産・山形相互)
・地域課題解決銀行と宣言した秋田の北都銀行

どうやら、今度の金融庁長官は本気なようで金融庁の役割が
大きく変わったようです。金融の現場にいてもそれは感じつつあります。
今後の展開から目が離せません。

019 中小企業、2030年問題??

昨日の日経朝刊で「中小企業が2030年に消滅」との記事が。
かなりキャッチ―で思い切ったタイトルですが、内容は的を得てます。
<記事要約>
① 中小企業社長の中心年齢は1995年47歳であった。
② 2015年は66歳となり、毎年1歳づつ高齢化が進む。
③ ついに2030年には80歳となり、寿命と一緒に会社も消滅。
④ 世代交代を阻む経営者の個人連帯保証
⑤ 突破口は自ら海外需要を取り込むこと
⑥ M&Aの活用も選択肢に
⑦ 事業承継だけでなく起業の受け皿に

現況説明①~④、その対策⑤~⑦という構成です。
66歳の社長に今から海外進出は酷な話です。「M&A」はよく出てきますが
「起業」を関連づける記事は稀なので推進派としては嬉しいですね。

起業準備中の方、新規事業を検討する経営者にとっては、またとないチャンスです。
一方で実務ベースに落とすと「連帯保証債務」「過大借入」「アドバイザー不足」等
という課題もありますが、新陳代謝を促す施策が色々と出てくると予想します。

アドバイザー不足はそう簡単に解決できない課題ですが「買い手」が自ら知識をつけて
行動することが近道でリスクも軽減できると考えてます。

このビジネス投資研究会が、その役割を担えるはずと思いながら記事読んでました。

018「起業するならM&A」

スモールM&Aの市場が拡大する過程において
「起業するならM&A」が当たり前になる時代が来ると予測します。

世間でよく言われる起業した方の5年後生存率1~2割。
(感覚的に、ここまで低くはないですが・・・)

起業する方は減少していると言われてますが、実際には
毎年約20万人の方が独立してます。
準備中の方も減少傾向ですが、その数倍はいると予測します。

一方、起業予備群である副業しているサラリーマンは、5人に1人。
様々な事情はあるでしょうが、働き盛りの20~40代のサラリーマンの2割が
副業をしているという事実。予備軍としてはすごい分母です。

売却される会社は5年以上続いているケースがほとんど。
ゼロイチ起業より、事業を買って起業する方が成功率高まるのは当たり前です。
ここは強く断言します。

売手である会社の理由も「後継者不足」から「飽きた」まで多種多様です。
特色持ったベンチャー企業の売却案件も増えてます。

ということで「起業・新規事業するならM&A」という市場が健全に拡大し
選択肢のひとつとして認知されることを願います。

私一人で、この市場を拡大するのは大変ですが
薄々と市場の存在を実感しているM&Aアドバイザーも増えていきているので
多方面と連携し市場の育成に注力します!

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テーマ : 独立・開業
ジャンル : ビジネス

017【近江商人型M&A】赤字会社のスモールM&Aは「三方よし」

ここ最近、赤字会社のM&A案件を二件ほど担当しました。
業種は「空間プロデュース事業」と「小規模介護事業」。

いずれも、赤字補てんの資金調達相談がスタートでした。
喧々諤々と議論しましたがイバラの道が濃厚。
借入を増やすことが更なる苦しみを産むパターンに見えました。
様々な葛藤を経て、事業売却を選択し、いずれも早期に売却。

売手にとっては赤字経営、資金繰りの苦しみから脱却。
買手にとっては時間短縮と、ノウハウ・ブランド獲得。
債権者にとっては貸倒れリスクの回避。
従業員にとっては雇用の安定。

早期の決断が、売却できた理由でした。

そして現在、いずれも業績復活し
結果的に売手・買手・関係者いずれも「三方よし」でした。
まさに近江商人型M&Aと呼んでもいいかもしれません。
今後、このパターンが増えると予測します。

M&Aの世界では当然ながら
規模が大きく、黒字会社の売却に買手が集中しますが
そもそも国内法人の7割が小規模で赤字です。

ここに光を当てれば、スモールM&Aの裾野が広がることは間違いありません。
価格が低いので、M&Aで起業・新規事業という市場も拡大すると確信してます!

テーマ : 成功したいビジネスマン必読のブログ
ジャンル : ビジネス

プロフィール

Author:つながりバンカー 齋藤由紀夫
金融会社(生保、ノンバンク、自治体、銀行、カード)に勤務後、ユニークな企業支援を目的に独立。現在はスモールM&Aの市場拡大に尽力している。趣味は焚火・ランニング・自転車。

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